大嶺薫コレクションは、故大嶺薫(1905~1970)氏が戦前・戦後をとおして収集したものです。氏の没後、その遺志をひきついだ遺族によっ て、1971(昭和46)年、大嶺薫美術館が設立され、沖縄の美術工芸文化に貢献してきました。1985(昭和60)年3月、美術館の閉館にとも ない、その3,550点の美術工芸資料が沖縄県立博物館へ寄贈されました。コレクションは美術工芸、歴史、考古、民俗の各分野にわたり、その収集範囲も沖縄を中心に、日本や中国、南方諸国はもとより、ヨーロッパやアメリ カまでおよんでいます。戦後、沖縄のおおくの遺産が焼失あるいは海外へ散逸しましたが、大嶺氏が、その文化財の流失を憂慮し、収集を実行したことは、高く評価されるものです。氏の業績を顕彰するとともに、大嶺氏が求めた美の概要を紹介します。