今から150年前、幕末の緊張した朝廷と幕府との融和を図るために、仁孝天皇第八皇女の和宮は、第14代将軍德川家茂の御台所となるため中山道を江戸に下った。
中山道は、古代東山道以来、官道として日本の歴史に大きな役割を果たしてきた。江戸時代には、朝廷の勅使として派遣された日光例幣使、朝鮮通信使や琉球使節なども通行し、京の宮家の姫君たちも将軍に嫁すために通行するなど、中山道は京と江戸を結ぶロイヤル・ロードともいうべき街道であった。
本展では、これまで交通政策や庶民の旅からのアプローチが主であった中山道について、降嫁150年を迎える和宮通行を軸に、官道として往来した人々を通して、改めて歴史的・文化的役割を見直そうとするものである。