カリブ海に浮かぶ島国ハイチの人々は、自然界の万物に精霊が宿ると信じ、キリスト教徒が多数を占めるようになった今も、美しい風景や動植物が日々の営みの中に溶け込んでいます。
ハイチの文化を象徴する「ハイチ絵画」の画家たちは、そうした特異な精神文化を背景とし、民族の故郷アフリカの野生動物や擬人化された動物たち、人々の身近にひそむ精霊たち、日常生活の光景や幻想的な風景などを、南国的な明るく華やかな色彩で描いています。ヨーロッパ絵画の枠にとらわれない自由奔放な作風に多くの欧米人が魅せられ、世界的に高い評価を得ています。
本展では、人間愛と自然への親しみに満ちた抒情詩とも言える「ハイチ絵画」を、広く皆様にご紹介いたします。