本展は、九州新幹線開通を記念して、熊本にゆかりのある水(豊かな地下水)・火(阿蘇・不知火)・大地をテーマとして国際的に活躍する作家たちの作品によって構成されるものです。出品作家は、ニューヨークを制作拠点として活躍する蔡國強と千住博、世界の有数美術館の多くがその作品を所蔵する杉本博司、まさに水・火・大地を素材としてダイナミックな表現を見せて来た遠藤利克、イギリス自然派を代表するディヴィッド・ナッシュ、リチャード・ロング、アンディー・ゴールズワージー、そして熊本の土を使った作品を制作予定の若手浅井裕介の合計8名です。
自然との密接で深い関わりの中で生み出される今回出品の作家たちの作品は、大型機械を使って大地を変形したり、モニュメンタルな形を築き上げたりはしません。謙虚でささやかでありますが力強く、世界の創世まで思いを馳せ、スケール感が大きく傑出した造形を見せています。
世界を巡るイギリス作家達の旅は壮大ですが、彼らの制作は、手と足を使ったライフ・サイズの行為であり、忘れかけた自然の夢とロマンを私たちに示してくれます。