日本近代洋画の流れを辿って
1951年11月の開館時に所蔵品のない美術館としてスタートした神奈川県立近代美術館は、60年の時を経て、10,000点あまりの所蔵作品を数えるまでになりました。ジャンルでいえば、その所蔵品は、油彩画だけではなく、日本画、彫刻、水彩・素描、さらには版画に至るまで多岐にわたっています。そうした中で、開館当初から現在に至るまで一貫して所蔵に努め、展覧会を通して研究に励んでいるのが、日本近代の洋画の分野です。この展覧会では、多くのみなさまに日本近代洋画の豊饒なる世界を味わっていただけるよう、近代洋画の父ともいうべき高橋由一の油彩画が描かれる明治から大正を経て、神奈川県立近代美術館が開館する昭和26年までの近代洋画の歴史を、当館の代表的な所蔵作品約100点を通して通観いたします。80年に及ぶ日本近代洋画のダイナミックな流れをぜひご堪能ください。
※会期中展示替えを行います。
前期:4/9~7/10 愛娘を描いた名作《童女図(麗子立像)》や
西洋と東洋の美意識を融合させた野心作《野童女》(寄託)をはじめとする
大正・昭和の代表的洋画家岸田劉生の作品群を特集展示します。
後期:7/12~10/10 戦時下にヒューマニズムの絵画を追求した画家
松本竣介の《立てる像》や麻生三郎の《女》など同時期の代表作を特集展示します。