増上寺は浄土宗の七大本山の一つで、関東における浄土宗の重要な拠点として栄えてきました。創建は太田道灌が活躍した室町時代に遡り、徳川家康の関東入府以後は徳川家の庇護を受け、将軍家の霊廟も建立されました。
古くは、現在の千代田区平河町から麹町付近に建立された増上寺ですが、家康入府以後の江戸の拡張にともない、現在の芝に移転して都市江戸を構成する重要な寺院となります。その様子は江戸時代から現代にいたるまで、さまざまな絵画に描かれてきました。
また、平成23年1月から大河ドラマ「江」の放映がはじまりました。主人公お江とその夫で二代将軍の徳川秀忠は増上寺に埋葬されており、増上寺はゆかりの寺になります。
本展は、都市江戸のランドマークであった増上寺について寺宝を中心に展観し、その歴史をさぐろうと企画しました。江戸・東京のなかに設けられた大寺院の姿を辿っていただければと思います。