さまざまな美術・工芸品に馬のデザインを施すのは、古代の騎馬民族スキタイをはじめとしてギリシャ・西アジア、そして中国でも古くから行われてきました。日本列島に馬が導入されたのは4世紀後半といわれていますが、世界各地で行われたのと同じように、美術・工芸品に馬を題材にした文様を描き込んでいます。代表的なものとしては陶磁器などの焼き物、茶道具、刀装具、印籠や根付などの装身具があり、ほかにも馬具等意外な品々に馬のデザインが施されています。かつて、馬は日本人の生活の中であたりまえのように存在していましたから、身近な題材として選ばれることも多かったのでしょう。
今回のテーマ展では、江戸時代の工芸品を中心にして、馬のデザインをお楽しみいただきます。