やきものの国日本。人々の生活のなかに生まれた日本のやきものは、近世に至って一挙に花開き、宴席や茶の湯の文化とともに発展しました。中国の文物―「唐物」への憧れとそこで培われた高い美意識が日本のやきものを洗練させていったのです。志野・織部の飄逸な趣き、唐津焼の大らかさ、備前焼の土の味わい、京焼の雅び、伊万里焼の絢爛たる輝き。桃山時代には、茶の湯の盛行と海外からもたらされた新しい文化に影響を受け、従来とは全く異なる自由闊達なデザインのやきものが生み出されます。つづく江戸時代には、産業の奨励と発達により日本各地で多種多様な陶磁器が焼かれました。
昨秋開催のPartⅠ「中国陶磁名品展」に続く静嘉堂の東洋陶磁シリーズ第2弾、桃山~江戸時代の作を中心に静嘉堂の日本陶磁コレクションを幅広くご紹介する初めての展覧会です。