昨年4月より実施したアンケートでは、ご来館いただいた方に所蔵品リストから好きな作品(軸装1点、額装1点)を選んで投票していただきました。今回の展示では当館初の試みとして、皆様のご要望に応え獲得票の多かった作品で構成します。
速水御舟が16歳になる年の3月、展覧会に初出品し入選した記念すべき作品 「小春」をはじめ、自然豊かな日本の風景を数多く描いた川合玉堂の「嶋之春」、雲の彼方に屹立する富士山を描いた横山大観「霊峰春色」ほか、東西の美人画の巨匠・鏑木清方、上村松園など当館を代表する画家の作品に加え、派手さはなくても味わい深い作品が選ばれました。作品とともに選んだ理由などのコメントを添えて展示しますので、投票に参加されなかった方も他者の感想や解釈に接することで絵画との向き合い方が今まで以上に刺激に満ちた楽しいものになるかもしれません。
開館30周年を迎えるにあたり、今まで支えていただいたご来館者への感謝の念を表すとともに、この展覧会を通じて、当館が身近な美術館として親しんでいただけるようになれば幸いです。