大正から昭和にかけて、劇作家・小説家として数々の話題作を生み出した山本有三[1887-1974]は、戦後、作家以外にも活躍の場を広げていきます。
1947(昭和22)年から1953(昭和28)年に任期満了を迎えるまで、参議院議員として文化委員長や文部委員長を歴任し、国立国語研究所の設立や祝日法・文化財保護法などの整備に尽力しました。また、現代でも良質な少年少女雑誌として高く評価されている「銀河」の創刊や国語教科書の編集など、次世代の担い手となる子どもたちへ向けた仕事と共に、国語改革にも熱心に取り組みました。
本展では1948年(昭和23)年に刊行された有三の随筆集『竹』を取り上げます。この中に収められた7つの作品を通して、戦後日本の復興にかける思いや議員時代の取り組みをご紹介します。文化人・山本有三の知られざる一面を是非ご覧ください。