平成23年は浄土真宗の開祖親鸞聖人の750回の遠忌にあたる年です。そこで、前橋市の妙安寺が伝える絵画・書跡・古文書などを一堂に公開し、親鸞及び東国の真宗門徒が残した軌跡をたどります。妙安寺は、親鸞の直弟子の一人成然を開基として、天福元年(1233)に下総国猿島郡一ノ谷(茨城県境町)に創建された寺院です。のち同郡三村(坂東市)に移り、ここを拠点に猿島門徒と呼ばれる門徒集団を形成しました。慶長6年(1601)、15世成空の時、前橋藩主となった酒井重忠によって現在地に招かれましたが、徳川家康の命で親鸞寿像を東本願寺へ進納したことから、本山からは「御里御坊」という特別の待遇を受けました。
展覧会では、これまであまり知られることのなかった中世上州の真宗門徒の実像にも迫ります。