彫刻の森美術館は、ハービー・山口の撮影によるカレンダーを2011年に発行しました。それを記念して、彼の40年に及ぶ活動を紹介する「ハービー・山口 -奇跡1970~2010-」展を開催します。
ハービー・山口は大学時代に本格的に写真を撮り始めた。卒業と同時に冒険を求め1973年に渡英し、約10年間を過ごします。
折からのパンクムーヴメントとその後のニューウェーブを実体験し、生きたロンドンの姿を写真に収めます。また、多くのロックミュージシャンと交流を持ち、彼らの素顔が写ったポートレートで高い評価を受けました。帰国後も、日本とヨーロッパ往復し、アーティストから市井の人々までにレンズを向け、すべての生きる人間に共感を抱きつつ、飾らぬ清楚なモノクローム作品を撮り続けました。写真の他に、エッセイの執筆、ラジオやテレビのパーソナリティ、作詞なども手がけ、幅広い活動を行っています。
本展では70年代から始まり、当館の風景を収めた2010年までの写真を、7つのセクションに分けて展示します。ハービー・山口のスナップポートレートという表現の中に、他者への暖かいまなざしと理解、すべつの人に備わっている可能性を感じ取っていただけましたら幸いです。