横浜市金沢区洲崎町に所在する真言宗御室派別格本山・知足山龍華寺は、中世から続く旧六浦庄地域の中核となる古刹です。鎌倉初期に創建された六浦浄願寺・金沢光徳寺を併合して明応8年(1499)に再興された龍華寺は、真言密教の学問や修行の道場として栄え、往古の繁栄を伝える貴重な文化財を数多く伝えていることで知られています。
中興開山の融辨、横浜出身の密教の高僧として著名な印融をはじめ、歴代の学僧によって整備された聖教(仏教典籍)は、中世から近世にかけての東国の密教世界の様相を伝える貴重な資料であることから、平成19年10月に「龍華寺聖教」4,686点が横浜市の文化財に指定されました。本展示はこれを記念し、龍華寺聖教の代表的な資料と、龍華寺に伝来する絵画・彫刻を合わせて公開するものです。