昭和会展は、才能ある新人を世に送り出し、作家に活動しやすいフィールドを提供するため、1965年に東京銀座・日動画廊が創設した推薦公募制のコンクールです。
46年の歴史を持つ昭和会展は新人作家の登竜門ともいわれ、初期受賞作家の多くが美術界をリードする大家として活躍されています。笠間日動美術館においては1990年から20年にわたり日動美術財団賞をもうけ、今後が期待される新人の紹介につとめてきました。
昭和会受賞者からは、強い色彩で幻想的な世界を描き2007年に文化功労者の顕彰をうけた奥谷博、対象を独特の色彩と精緻な筆致で捉える松樹路人、重厚な絵肌の風景画を制作した浮田克躬、作品を通し自己と対峙し続けた鴨居玲ら、多くの逸材を輩出しました。
また日動美術財団賞受賞者には、伝統的な油彩画の技法を基本に現代の若者像を描く柏本龍太、人体の艶やかな肌としなやかな曲線を木彫で表現する三宅一樹らがおり、いずれも次代を担う存在として花開いています。
本展では、歴代の受賞作家の中から受賞作品を含むよりすぐりの作品をご紹介いたします。桜花の候、昭和会から美術界への第一歩を踏み出した受賞作家たちの力強い作品をご鑑賞ください。