第二次大戦後のパリで起こった前衛的絵画運動「アンフォルメル」。フランス語で「否定形なるもの」を意味するこの言葉は、1950年に批評家ミシェル・タピエによって戦後のフランスに胎動する新たな非具象的な絵画としてていしょうされました。この動向をになったのはフォートリエ、ヴォルス、デュビュッフェ、ミショー、スーラージュといった作家たち。加えて当時パリに滞在していたポリアコフ、ザオ・ウーキー、堂本尚郎、菅井汲などもこれにかかわりました。彼らは、それまでの絵画の具象的、構成的、幾何学的なイメージを脱却し理性では捉えられない意識下の心の状態から生み出されるものの表現を試みました。戦後アメリカに興った抽象表現主義と時を同じくしてフランスで展開した新しきフランス絵画を約100点の作品でご紹介します。