繊細な色彩と詩情に満ちた作品で人気の木版画家・鈴木敦子。
当画廊で1年半ぶりとなる本展は、初制作した木版モノタイプ作品を約80点発表します。
“空と道”をテーマにした作品には、雪が舞う空や電線に集まる小鳥などの身近な風景から、自在に交わる十字路のような道などの少し抽象的な物まで、さまざまなモチーフが描かれています。
「足元に出来た道はいくつもに分かれて広がり、何処へだって行ける。選ぶのは、その人の自由。空は見ているだけで不思議と気持ちを何処かへ連れて行ってくれる。空模様は自分の好きには出来ないけれど心を自由にしてくれる」
作品のテーマについてこのように語る鈴木は、“空と道”に感じる自由をそのまま9センチ四方の小さな画面に表現しました。
今回のモノタイプ作品は、木版画の上に、水彩や色鉛筆などで加筆したり、コラージュを施したり、一点一点異なる手法で制作されています。それぞれに個性が溢れ、色彩も雰囲気も異なる無限の風景が広がっています。