日本を代表する写真家・石元泰博は、1921年、農業移民の子としてアメリカ・サンフランシスコに生まれました。1924年に両親とともに高知県土佐市高岡へ戻り、1939年に高知県立高知農業高校を卒業後、単身渡米。さまざまな出会いから写真の道へ進み、1948年から1952年、シカゴのインスティテュート・オブ・デザイン(通称ニュー・バウハウス)で写真を学び、同校を優秀な学生として卒業します。その後、シカゴと東京を拠点にその才能を発揮し、卓越した造形感覚とモダニズム、被写体の本質をしなやかに切り取る洗練された作品で国際的に高い評価を受けます。
2005年、高知県は石元氏ご本人から全作品のご寄贈を受け、以後、テーマを変えながら定期的に当館のコレクション展にて作品をご紹介しています。今回は、石元が学生時代から1953年まですごしたシカゴの姿と、来日後再びシカゴに向かう1958年までの50年代の日本の姿を初の写真集としてまとめた『ある日ある所』(1958年刊行)から約100点の作品をご紹介します。<ハローウィン>、<ビーチ>、<雪と車>など彼の代表的なシリーズを、石元の手による美しいモノクロームプリントでお楽しみください。