あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が所蔵する〈椿〉をモティーフとした美術作品のコレクションのなかから選び出した約60点の作品による企画展「椿、咲く-絵画と工芸-」を開催いたします。
このコレクションは、同社の母体のひとつである大東京火災海上保険株式会社により蒐集されたものですが、これらの作品は秘蔵されることなく各地で公開されています。
本展では桃山・江戸初期にみられる金碧障屏画(きんぺきしょうへいが)の系統といえる伝・狩野山楽の二曲一隻屏風「椿梅図」をはじめ、尾形光琳・乾山兄弟の絵画や工芸作品、また、琳派の継承者である酒井抱一や鈴木其一などの作品による〈桃山~江戸期の絵画と工芸〉。冨山溪仙、小林古径、村上華岳、髙山辰雄などの日本画家、満谷国四郎、熊谷守一、香月泰男らの油彩画家による椿絵の名品をあつめた〈大正・昭和期の名作〉。そして、大磯ゆかりの安田靫彦や堀文子、藤沢・鵠沼に住んだ岸田劉生、平塚に生まれた鳥海青児などの湘南地域所縁の画家や、前田青邨、小倉遊亀、福井良之助など鎌倉の地で制作をつづけた作家の作品を一室に展示した〈湘南・鎌倉ゆかりの作家〉という三部構成によって、時を越えて愛され続けてきた花、〈椿〉がさまざまな表現方法により芸術作品に昇華された姿をご覧いただきます。