料理旅館の床の間には、客をもてなすために掛け幅が掛けられますが、それら掛け軸の中には、客として訪れた画家に直接制作を依頼したものもあります。堺の大浜や浜寺にあった料理旅館も同様で、館主から依頼されたことをうかがわせる掛け軸が数多く所蔵されています。しかし、どのような掛け軸があるのかは、ほとんど知られていないといってよいでしょう。
そこで、今回のスポット展示では、堺の料理旅館に掛けられた絵画作品十数点を紹介します。
今回の展示では、森一鳳など江戸時代の画家の作品のほか、明治・大正期の大阪で活動した星加鴨東や山本英春、村田香谷など、現在ではほとんど知られていない画家の作品を通じて、近世・近代日本画の魅力に触れていただければと思います。