1963年にフリーの写真家としてデビューし、「アレ、ブレ、ボケ」と形容される独自の表現で日本の写真界に大きなインパクトを与えた森山大道。『写真よさようなら』(1972年)の発表後長いスランプに陥った森山が、「写真を撮る日々をとり戻す」ために青函連絡船で北海道へ渡ったのは、1978年の初夏のことでした。札幌を拠点に道内各地を旅し、ひたすらにシャッターを切り続けた3ヶ月間。しかし撮影された250本ものフィルムのほとんどは現像されることなく、長い眠りについていました。
本展では、それらの膨大なフィルムの中から選び出されたモノクロ写真と、新たに北海道各地で撮影されたカラー写真合わせて約350点を一堂に展示。2009年から北海道各地を巡回してきた「北海道〈序章〉」、「北海道-第2章/展開」を経た「北海道」シリーズの集大成として、迫力の展示空間を構成します。
森山が一瞬ごとに切り取った「北海道」の断片。その膨大な「記録」があなたの「記憶」を呼び起こします。