長年にわたって童画の発展に尽力し、先ごろ104歳で亡くなられた童画家・林義雄氏の作品を追悼展示いたします。
林氏は、明治38年(1905)東京深川に生まれました。兄や友人たちの影響をうけて芸術の道に進み、19歳で中央美術展に入選。日本画家・蔦谷龍岬の主宰する鐸鈴社に入門しましたが、そのかたわら絵本の挿絵を描くようになります。師・龍岬の逝去後は童画に専念し、『キンダーブック』や『めばえ』などの児童向け雑誌や絵本で活躍しました。
昭和37年には童画の地位確立とその発展のため、武井武雄、川上四郎、鈴木寿雄らとともに「日本童画家協会」を結成。協会展にて作品を発表し、解散後は個展にて想像力豊かな作品の数々を生み出しました。また「童塑(どうそ)」と名づけられた陶製の立体童画を制作するなど、独自の表現にも挑戦。
100歳を過ぎても意欲的に創作を続けてこられましたが、平成22年(2010)12月9日に天寿を全うされました。
子供から大人まで多くの人々を魅了してきた作品の数々をご覧ください。