現代の日本画界において、めざましい活躍を続けている二人の画家、中島千波と畠中光享を紹介します。中島千波(1945年~、東京)は、日本画家だった父・中島清之の疎開先、長野県小布施町で生まれ、東京芸術大学日本画専攻に進み、早くから院展などで注目を集めました。「衆生」「眠」「空」「identity」など、斬新な人物表現に挑む大作を発表する一方で、桜をはじめとして椿、牡丹など、現代的な感覚で花を描く画家としても知られ、多彩なジャンルで活躍を続けています。
畠中光享(1947年~、京都)は、奈良県の寺院に生まれ、大谷大学文学部、京都市立芸術大学専攻科修了後、団体展とは一線を画して発表を続け、パンリアル展をはじめ多くの美術展で受賞します。1974年以降、数十回にわたってインドに渡り、ライフワークとして仏伝図を描き続け、日本画の伝統である色彩、線描を現代的な感覚で真摯に追求し続ける姿勢は、高い評価を得ています。
二人の日本画家は、自主的なグループ「横の会」や「目―それぞれのかたち」で互いを刺激しあってきた同志でもあります。今回の展覧会では、近年の大作、代表作に新作を加え、東西の日本画壇に新境地を拓いてきた二人の画家の豊かな絵画世界をご覧いただきます。