1956年頃の『自画像』から1970年の『馬(絶筆)』まで、神田日勝の作品をほぼ年代順に展示し、その時代の作風の特徴や主題、モチーフの移り変わりなどについて紹介します。
1957年の『馬』は、帯広の平原社展で平原社賞を受賞し、1960年の『家』は全道展の初入選作、さらに1965年の『馬』は独立展出品作であるなど、公募展についても少し触れます。
1966年の『静物』で全道展会友賞、会員推挙となり、同じ年の『開拓の馬』は鹿追の北鹿追神社に絵馬として奉納され、画家としての地歩を着実に進めてゆきます。同じ66年の『画室A』から引き続く「画室」の連作では、色彩と構成の試みが見られ、1968年の『晴れた日の風景』から1969年の『人間A』では、流れるような描線と鮮やかな色彩による新たな表現に挑戦しています。
1970年の『馬(絶筆)』は、未完成ながら日勝の最後の完成作『室内風景』と同様に、神田日勝の代表作として認知されるようになりました。
本展では、日勝の初期から晩年までの作品を通して、その画業を振り返ります。