当美術館は、「一人でも多くの方々に所蔵品と親しんでいただきたい」という願いから、谷山サザンホールと市民アートギャラリー(市役所みなと大通り別館)で年1回ずつ蔵出し美術館を開催しています。谷山サザンホールではこれまで絵画を展示しており、3回目を迎える本展は「パリのエスプリ-エコール・ド・パリとその周辺」と題して国内外の油彩画をご覧いただきます。
20世紀前半の美術の中心地はヨーロッパ、さらにはパリと言っても過言ではないでしょう。この時期には、世界中から多くの作家たちがパリを目指しましたが、特に第一次大戦から第二次大戦までの間、主に1920年代を中心としたパリは国外からやってきた多くの作家たちで賑わいました。彼らは共通の主義・主張をもつわけでもなく、作風も様々でしたが、いつしか「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれるようになりました。
この展覧会では、ユトリロやローランサン、パスキン、キスリング、藤田嗣治などエコール・ド・パリの画家や、藤田とパリで親交のあった海老原喜之助の滞欧作など合計10点の油彩画を展示します。自由なパリのエスプリ(精神)から生まれた、個性的な作品をご覧ください。