更紗(さらさ)芸術家・青木寿恵女史は、本年2月に84歳にて天寿を全うしました。女史は永年に渡る研究から、至難の業とされていた結城紬(ゆうきつむぎ)の染色手法をあみだし、「寿恵更紗(すえさらさ)」という独自の芸術分野を確立し、その創作活動は国内にとどまらず世界各国において数々の展覧会を開催しました。自然をこよなく愛し、人を慈しむ深い想いの人間性は作品に多様な形で表現され、筆づかいの繊細さ、色彩の鮮やかさは言うまでもなく、時にはすべての人を包み込む優しさを、時には大胆で豪快に大自然を着物の上に蘇らせ多くの人々の心を癒し続けて参りました。
今回、当館では女史のその生前の偉業を忍び代表的な作品を皆さまにご鑑賞いただく運びとなりました。
いつまでも作品の中に生き続ける「青木寿恵の世界」を心ゆくまでご堪能いただければ幸いです。