江戸時代も終わりの19世紀半ば、下総国香取郡の東総地域に大原幽学という農村指導者が現れます。この時代、東総地域は「天保水滸伝」に代表されるような混乱の時代で、長部村(現千葉県旭市)も離村・退廃に悩まされていました。
各地を放浪の旅で巡っていた幽学は、長部名主遠藤伊兵衛に招かれ、荒廃した農村の立ち直りをめざしました。門人(道友)には多くの農民が集まり、彼らに性学の教義を説き、生活の改善、稲作の方法の改良、先祖株組合を結成させるなど、さまざまな生活や農村改革をおこないます。
本展示では、大原幽学の生涯を顧みて、その功績について重要文化財の諸資料とともに紹介します。