金島桂華(1892-1974)は、広島県深安郡神辺町に生まれ、大阪に出て日本画を学んだ後、1911年に京都で竹内栖鳳に師事しました。1918年の第12回文展で《叢》が初入選して以後、官展を中心に活躍し、確かな自然観照に基づいた鮮麗な花鳥画を多く描きました。
1923年、それまで村上華岳が住んでいた衣笠村小松原溝口町(現・京都市北区平野八丁柳町)の家に移り、その後も亡くなるまで衣笠界隈を制作の拠点としました。
1930年より10年間は京都市美術工芸学校で教鞭をとり、また画塾衣笠会を主宰し、後進の指導にも力を注ぎました。
本展では、財団法人タカヤ文化財団華鴒大塚美術館のご協力により、衣笠ゆかりの日本画家・金島桂華による鮮やかな色彩の世界を紹介します。
第2回帝展に出品された《葡萄とダリア》をはじめ、四季を感じさせる自然の佇まいや生物の可愛らしさが表れる作品の数々は、現代を生きる私たちの心を潤すものといえるでしょう。
また、植物のかたちを巧みにとらえた素描類も見どころとなっています。
色彩美で創りだされた桂華の世界をぜひご鑑賞ください。