【第一期】2/11~3/21 -泉鏡花とのかかわり-
清方は、明治35年に発行された『三枚續』において、あこがれていた鏡花の小説に初めて口絵と装丁を手掛けました。鏡花の口絵は、様々な画家が描いていますが、中でも清方の挿絵は特に人気を博し、日本画家への道を後押ししました。清方の随筆や鏡花の文章からは、互いへの敬愛の念が読み取れます。
清方は、鏡花が亡くなった直後に、『鏡花全集』の編纂委員を務めており、鏡花の好きだった兎や紫陽花を用いた装丁からは、故人に対する哀悼の気持ちが感じられます。
本展覧会では、清方が描いた口絵や装丁をはじめ、清方の随筆などから2人の心あたたまる交流を偲んでいただければ幸いです。
【第二期】3/25~4/24 -樋口一葉への情憧-
清方は、明治24年に日本画家・水野年方へ入門し、一葉の小説に挿絵を描くこと目標に、挿絵画家としての勉強に励みました。しかし、間もなく一葉は夭折し、その機会は失われてしまいます。
ある日、樋口家の墓に詣でると、一葉の墓標に寄り添う「たけくらべ」の主人公・美登利の姿が浮かびます。そうして制作された『一葉女史の墓』は、挿絵から日本画家の世界へ転身してゆくきっかけとなりました。
本展覧会では、『一葉女史の墓』『にごりえ』など一葉作品を題材にした作品を中心にご紹介します。