100年前の春、一人の画家が28歳で世を去りました。青木繁です。1904年、22歳のときに青木が画壇に投じた《海の幸》は、明治浪漫主義とよばれる時代の空気の中で、人々の心を力強くとらえました。青木のすぐれた想像力と創造力の結晶だったからです。さらに、青木は日本神話に題材をとった作品群を残していますが、その魅力は、時空をこえたかなたに見るものの思いを導くロマンティシズムでした。一人の人間の苦闘や愛憎が一つ一つの作品に反映されています。油彩作品約50点、水彩・素描約150点、総数約200点の規模となります。