港郷土資料館の所蔵する、港区内をはじめとした江戸・東京に関する絵画・版本・江戸図・地図などは、総計2500点を超える質・量ともに充実したコレクションです。
そのうち、近世の江戸図はおよそ120点あり、現在でも人気の高い『近吾堂板切絵図』、『尾張屋板切絵図』をはじめ、最初の刊行江戸図と推定されている『武州豊嶋郡江戸庄図(寛永江戸図)』、17世紀後期に遠近道印によって作成された正確な江戸実測図『分間江戸大絵図』、浮世絵師石川流宣による絵画的な描写の『江戸図鑑綱目』、もっとも普及した大絵図である須原屋板『分間江戸大絵図』などの代表的な江戸図のほか、現存最大級の手書き図『安永手書江戸大絵図』など、貴重な資料が多く含まれています。
今年度の特別展「江戸図の世界」では、館蔵資料を中心としてテーマごとに代表的な江戸図を取り上げ、それぞれの江戸図の種類や特徴、様式の変遷、歴史的な流れ等について紹介いたします。