中里貝塚は、現在のJR上中里駅近くの低地部に拡がる貝塚です。
古く、明治時代より注目されてきましたが、その立地・出土資料の乏しさから、謎の多い貝塚とされてきました。しかし、平成8年に大規模調査が行われると、その全容と特殊性が明らかとなり、中里貝塚は再び注目を集めることとなります。
本貝塚の貝層は、粒揃いのハマグリの層とカキの層とが交互に幾重にも重なり合う形で形成され、広がり・厚さともに国内最大規模を誇ります。さらに、この遺跡からは干し貝作りにかかわる遺構・遺物も多く見つかり、中里貝塚とは、当時の浜辺に作られ、貝類の加工処理に特化した場所であったことが判明しました。
この企画展では、国史跡指定10周年を記念し、改めて中里貝塚とはどんな貝塚であるのかをご紹介するとともに、中里貝塚が営まれたことの意義を、奥東京湾という地域全体から探ります。