動物や鳥・魚は古くから絵画のモチーフとして様々に描かれてきました。それは宗教や思想の象徴として、家畜や飼いものに対する人間の愛情、やさしさの表現としてだったりします。画家が稽古や手本のために動物や鳥・魚等の生態をリアルに写生した図譜類には、図鑑を見るような楽しさ、興味深さがあります。
摘水軒記念文化振興財団の所蔵品には、岡本秋暉をはじめ伊藤若冲、葛飾北斎、谷文晁等多くの画家により様々な生物の姿が描かれています。
本展はこれらの作品を通じて当時の画家が動物や鳥・魚等をどのように捉えていたのか、多くの生き物が生息した江戸時代の日本の自然が如何に豊かだったか-などを現代の人々に紹介すると共に、作品の芸術性や博物学的な面白さも味わって頂く目的で開催します。