長く続いた戦乱の世から、豊臣秀吉が織田信長亡き後の天下統一を推し進めました。16世紀末のこの時代を桃山文化と呼んでいます。ヨーロッパの大航海時代とも重なるこの時代には海外の文化や風習が日本へ伝わり、政治、経済、社会、文化が大きく変動しました。古来の価値観から解き放たれ、人々の意識や行動に変化が生まれ、生産活動や芸術にも活性化がおこりました。時代の大きな変わり目にその中心にいたのが秀吉とその夫人の北政所(ねね・出家して高台院)でした。桃山時代を代表する二人の生活空間を彩った品々はいずれも斬新であり、時代の空気を今に伝えています。秀吉夫妻の遺品をはじめ高台寺に伝わった品々から、変化に富んだ桃山時代への扉を開いてみましょう。