濱田庄司氏(1894~1978)は、「民芸陶器」で昭和30年最初の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、日本陶藝界に燦然と輝く巨星です。濱田庄司氏はその生涯に力強く気品のある魅力的な作品の数々を生み出しましたが、作品だけでなく、その指導を受けて多くの優秀な陶藝作家が巣立って行きました。
「濱田庄司とその系列」展は、当館のコレクションを形成した石洞翁・佐藤千壽(1918~2008)と親交のあった濱田庄司氏とその縁のある作家の作品を紹介する展示で、「その一」では濱田庄司氏の作品を中心に、晋作氏、友緒氏の濱田家三代の作品を紹介致しました。
第2回となります本展では、濱田庄司氏に師事し、平成8年に「民芸陶器(縄文象嵌)」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された島岡達三氏(1919~2007)の作品68件を中心に展示致します。
島岡達三氏は、濱田庄司氏に入門した後、1950年に栃木県窯業指導所に職を得ましたが、この時に行なった学校教材用の古代土器の複製の手伝いが一つの切っ掛けとなって、島岡作品の代名詞とも言うべき象嵌縄文を生み出しました。本展では、様々な技法との組み合わせによって多彩に変化する象嵌縄文の世界を堪能して頂きたいと思います。
また、本展では、同じ濱田庄司氏の指導を受けた、金城次郎(1912~2004)、木村一郎(1915~1978)、舩木研兒(1927~)各氏の作品も展示致しますので、それぞれ特色のある作品を味わって頂きたいと思います。