海洋堂に代表される日本のフィギュア(人形)文化は、現在、世界的に高い評価を受けています。
しかし、日本では人形はかつては呪具であり、異質なモノの気配を漂わせる不気味な「他者」だったのです。
この日本人の人形観が転換するのが近代です。
人形を収集の対象とするコレクターたちが出現し、人形は不気味な「他者」から「自己」を投影する欲望の対象となったのです。
兵庫県は、淡路人形浄瑠璃や稲畑人形・葛畑人形など、特徴的な人形文化が見られる地域でもありました。
この展覧会では、土偶・埴輪や「ひとがた」に始まる日本の人形文化を通覧し、そのなかに現在のフィギュア文化を位置づけます。