1960年代後半から80年代にかけて、詩人、歌人、脚本家、映画監督、競馬評論家、様々な肩書きを持つ寺山修司。彼が主宰した「演劇実験室◎天井棧敷」は、「アングラ演劇」「前衛演劇」と称され、1983年の解散まで商業演劇や新劇とは一線を画し、活動を続けました。
J・A・シィザー氏は70年以降「演劇実験室◎天井棧敷」で、寺山修司との共同演出、および音楽を担当して活躍し、解散以降も、「演劇実験室◎万有引力」を立ち上げ、活動を続けています。またアニメ作品「少女革命ウテナ」へ楽曲を提供するなど、音楽活動の幅を広げています。
今秋パルテノン多摩にて開催される、実験的幻想音楽劇「阿呆船」の関連展示として、本展では、公演ポスター、美術道具をはじめ、J・A・シィザー氏が今までに収集、集積してきた演劇ノート、台本、音楽担当ならではの音楽構成表や楽器などを初公開します。
多数の文化人とともに創作現場の一線にいたJ・A・シィザー氏の活動について、より多くの人に知ってもらうとともに、10年をまたいで寺山修司氏の演劇を取り上げてきたパルテノン多摩として、より多角的に寺山修司演劇を理解してもらうことを目的とします。