洋画家 小出卓二(1903-1978)は、印象的な赤い色彩で神戸風景を描いたことで知られます。本展は神戸市所蔵作品を中心に、代表作を含め小出の初期から晩年までの画業を展観するものです。小出は大阪市天王寺区に生まれました。金沢医科大学付属薬学専門部(現:金沢大学薬学部)を卒業後、信濃橋洋画研究所に入所、小出楢重に師事しました。1945年の第一回行動美術展から、亡くなる直前の1977年まで同展に発表を続けました。小出は神戸港や大阪港、淀川河口付近など阪神間をはじめ日本各地に取材し、力強い色彩を用いた表現を追求しました。とりわけ赤い色彩を好み、叙情的な夕暮れを思わせる「赤の風景」は小出の代名詞となり、神戸市所蔵作品にもこれらの作品が多数含まれています。油彩画約40点と、下絵やスケッチなどの素描約20点を通して、色彩のダイナミズムを追求し続けた小出卓二の世界をお楽しみ下さい。
一部展示替えあり
前期 10/2~11/30
後期 12/2~1/30