まるで蝶の鱗粉のような、何色ともいいがたい色。描かれたモチーフの内側から光が染み出してくる、その不思議な色をたたえているのは浜口陽三のカラーメゾチント作品です。
2010年春、当館ではコレクション展の一環として「メゾチントの冒険Ⅰ」(4/20‐6/27)を開催し、モノクロームのメゾチント技法を解説した小コーナーの設置や実演イベントを企画するなど、一見複雑なメゾチント技法についてわかりやすく理解していただけるように工夫をこらしました。
今回はその第2弾として「カラーメゾチント」を掘り下げたいと思います。カラーメゾチント作品を中心に銅版画約60点を展示する他、第1弾に引き続き解説コーナーの設置や実演イベントを開催いたします。
基本的なしくみから始まり、カラーメゾチント特有の色の透明感や奥深い魅力をさぐる展示になれば幸いです。