山下菊二(1919-1986)が亡くなって今年で25年になります。
山下菊二は、徳島県三好郡辻町(現、三好市井川町辻)に生まれ、太平洋戦争中は中国戦線に動員されて過酷な状況を生きました。戦後は自らの戦争体験を背景に、社会や政治をテーマにした作品を発表。1970年代半ばから戦争と狭山事件をテーマにしたコラージュによる作品を制作しました。
山下は生涯描くことで社会に問いかけ、戦い続けた画家です。
けれども、社会の現実に向ける山下のまなざしは、厳しくも時にウィットやユーモアを交えた温かみがあります。終戦から65年が経ち、インターネットを通して世界中に情報が瞬時に流れる時代となった現在も地球上では戦争が続いています。山下が作品に表現しているものは、戦後史の証言であると同時に
未来に向けてのメッセージでもあります。ぜひ、ご高覧ください。