三尾公三(1923-2000)は、1981年創刊の週刊誌『FOCUS』の表紙絵を描いたことで広く知られた画家である(1999年まで)。絵具を吹き付けるエアーブラシの技法を駆使した、クールで幻想的な作品で一世を風靡した。虚構と現実が複雑に交差する現代社会を映し出した作風は、一度目にしたら忘れられない特徴がある。出生地は名古屋市だが、現在の岐阜県中津川市付知町に地縁を持つ家に生まれている。
展示構成は、エアーブラシを手にした1960年代後半から、近年新たに収蔵した作品を含む、『FOCUS』全盛時代の作品を中心に紹介する。また素描や『FOCUS』原画を併せて紹介し、没後10年を機に、三尾公三の偉業を振り返る機会とする。