縄文土器に生命力の発言を見出した岡本太郎は、1957年、自らの思想を携えて、日本列島の文化を検証するためのたびに出ます。その最初の目的地が秋田でした。仮面をかぶる行事・男鹿半島のナマハゲが、岡本を強く惹きつけたのです。1950年代、岡本が探訪した日本の地方と少なからず重なっています。本展は、岡本が撮影した秋田の写真を展観し、「仮面」をキーワードに、岡本と藤田に通底する志向を浮かび上がらせることを試みます。また、岡本が撮った縄文時代の土器や土面の写真と、秋田県各地から出土した縄文土器をあわせて紹介します。
岡本の視線で土器を凝視し、秋田の人々の原初の生命力を感じとっていただければ幸いです。