パリの北西、約80kmに位置する村ジヴェルニーは、印象派の巨匠クロード・モネが半生を送り、多くの名作を残した地として知られています。モネが住み始めた1883年当時のジヴェルニーは、300人ほどが暮らす小さな村でした。その後、パリから適度に離れたこの典型的なフランスの田舎は他の画家たちからも注目されるようになり、またモネの成功も手伝って、1915年までに、19ヵ国、300人以上の芸術家がこの地にやってきて「芸術家村」へと発展しました。セザンヌ、ボナールなどのフランスの画家、そしてイギリスや他のヨーロッパの画家の他に、日本からも児島虎次郎ら数名の画家がジヴェルニーを訪れています。しかし、全体の70%以上を占めていたのはアメリカの画家たちでした。彼らはモネの影響を受けながらも独自の表現を追求し、自己の才能を育んでいきました。
本展は、ジヴェルニーの地でモネが追い求めたいくつかのテーマを軸に、モネの作品と「芸術家村」の大半を占めたアメリカの画家たちの作品を通して、ジヴェルニーの「芸術家村」の全貌に迫るものです。