このたび神戸市立小磯記念美術館において、洋画家・古家新(ふるや しん 1897-1977)の代表的な作品を集めた特別展を開催します。
兵庫県明石市に生まれた古家は、県立第二神戸中学校(現兵庫高校)に入学後、絵画クラブの創設者の一人として校内美術展覧会などでの活動を行います。同校・同展からは後輩画家として、小磯良平や田中忠雄、東山魁夷らが巣立っていきました。
その後、古家は、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)に学び、1921年より朝日新聞社に入社します。同社では、『週刊朝日』の表紙画や挿絵等の制作を行いました。また、1924年からは信濃橋洋画研究所で鍋井克之に師事し、さらに1928年から翌年にかけてはフランスに留学して小磯良平や中西利雄らと交流を重ねています。
戦後は、1945年に向井潤吉、榎倉省吾、小出卓二らと行動美術協会を創立し、以後他界するまで同会展を主な作品の発表の場とします。また、1961年には瀬戸内海の小豆島にアトリエを建て、ここでオリーブ畑や日の出などを風情ある筆致で描き続けました。古家は1977年に他界しますが、関西を基盤とした精力的な創作活動などにおいて、大きな足跡を残しました。
古家新に主軸を置いた公立美術館初の特別展となる本企画は、初期から最晩年にいたる代表的な古家作品80点と諸資料を、神戸二中出身の後輩画家たちや関西出身の行動美術創立会員らの作品など25点とともに展覧し、その画業の全貌と画壇で果たした役割を顧みようというものです。
(10/19以降一部展示替えいたします)