染色家・芹沢銈介には、本の装幀家としての顔があります。昭和6(1931)年1月に雑誌「工藝」の装幀をしたのを皮切りに、最晩年に到るまで、生涯に500冊以上といわれる本の装幀を行いました。師である柳宗悦の著書はもちろんのこと、内田百閒、岡本かの子、海音寺潮五郎、川端康成、佐藤春夫、獅子文六、白洲正子、武田泰淳、丹羽文雄、山崎豊子、山本周五郎などの、著名な作家や評論家の本の装幀を手がけています。
本展では、芹沢銈介が手がけた、初期から晩年までの装幀本300点を年代順に展示します。優れたデザイナーでもあった芹沢銈介の横顔をごらんいただけることでしょう。