木村友紀は、現代美術の文脈の中で写真や映像を素材として扱い、これまでに時間やイメージにまつわる分析と思考を平面、立体作品、展示空間へとひろげる作品を発表し続けてきました。
美術館での初個展となる本展はすべて新作で構成され、「無題」と名付けられました。このタイトルのとおり木村はこれまでの活動の中でゆっくりと熟成させてきた、イメージと支持媒体との関係や写真の事後性などについての考察を、ストーリーやキーワードを排し、作品そのものによってより実践的に表現しようとしています。
写真を使った表現が現代美術のなかでますます重要な役割を果たすなか、注目を集めている木村友紀の作品世界をご紹介します。