日本の近代陶芸に大きな足跡をのこした河井寬次郎(1890-1966)が生誕120年を迎えるにあたり、その業績を回顧します。島根県安来市に生まれた寬次郎は、東京高等工業学校や京都市立陶磁器試験場での修業後、大正9年京都で独立し、以後半世紀にわたって活躍しました。柳宗悦との民藝運動への参画から独自の作風の確立へと、果敢に陶芸の美を探究しつづけた陶工・河井寬次郎の
軌跡を京都国立近代美術館所蔵の川勝コレクションを軸に辿ります。また、あわせて河井寬次郎と親交のあった濱田庄司、棟方志功、黒田辰秋、芹澤銈介、安部栄四郎などの作品を通して、交流の跡と人間像に迫ります。