旭川は街なかに野外彫刻が置かれ、彫刻専門の美術館や彫刻賞をもつ「彫刻のまり」です。2000年から開かれてきた「旭川彫刻フェスタ」では、これまで5回にわたる野外での公開制作をはじめ、毎年さまざまな参加型イベントを開催し、市民の方々に現代彫刻に親しんでもらうとともに、「彫刻のまち」としての充実を図ってきました。
10周年を迎える本年は、ふたつの美術館を会場として、関係作家のその後の制作を紹介します。歴史ある建物を活用している旭川市彫刻美術館、かたや専用の展示施設として建設された北海道立旭川美術館。これまでの野外空間との違いやそれぞれの建物にそなわる雰囲気の違い、なによりも公開制作を経て作家が現在どのような制作を展開しているのか、見どころはつきません。
石や金属、木など素材のもつ表情をたたえながら、多彩な形や色で姿を現すはずです。中には、観覧者の参加を促す作品のほか、市民の手作りによる野外彫刻の立体マップも展示されます。また、会期中、パントマイムのパフォーマンスや身体感覚で彫刻をとらえるワークショップのほか、工作スペースの設置など、多彩な内容で開催されます。
10年の時を経た彫刻、そして作家たちの新たな作品と向き合う時間、そこに関わる人々との交流…。「彫刻のまち」旭川にある数多くの彫刻とともに、心をゆさぶるさまざまな出会いを通して、その鼓動を感じていただく機会になれば幸いです。