今年で3回目を迎えるテーマ展 シリーズ"平和を考える"は、国際親善と世界平和に尽力した渋沢栄一の活動を知ることで、平和を考えるきっかけとしていただくための企画です。関東大震災復興80年を迎え、本展覧会では、災害を受けた都市の復興のみならず、そこに暮らす人々の心の復興も目指した栄一の活動を紹介します。
大正12年(1923)9月1日に発生したマグニチュード7.9の地震は、近代的首都機能を備えた東京、横浜を中心とする関東地方の広範囲に甚大な被害をもたらしました。東京・兜町でこの大地震に遭遇するも難を逃れた渋沢栄一は、大震災善後会などの組織で民間の経済人として救護・救援活動に力を尽くしました。その中で栄一が重要視したのは、民間ならではの迅速な対応と、苦境に追い込まれた多様な立場の人への細かな配慮でした。
人々の平和な日常と、経済の復興を目指した渋沢栄一の活動を通して、突然起きる災害、そして平和な日常とは何かを考えていただく機会となれば幸いです。