国内・外の優れた作品を、現代美術を中心に収集し広く紹介する大阪の国立国際美術館は、日本で4番目の国立の美術館として1977年に開館しました。同館は、大阪の万国博覧会の際に建てられた万国博美術館を活用する形で、その活動を開始しましたが、27年を経過した2004年、大阪北区中之島に完全地下型の斬新なデザインによる新館が建設されて移転し、ますます幅広い活動を展開しています。
本展は国立美術館巡回展として開催されるもので、今年度は6000点に近い国立国際美術館の所蔵品の中から、同館が誇る名作約75点を精選して紹介し、その時代時代に現れた「新しい美術」の系譜をたどります。主な作品としては、セザンヌ、ピカソ、マルセル・デュシャンといった20世紀前半の名品から、戦後アメリカ美術を代表するモーリス・ルイス、フランク・ステラの大作や、ドイツの画家ゲルハルト・リヒター、日本現代美術の代表作家草間彌生の絵画、杉本博司、やなぎ みわ といった最近の写真作品にいたる重要な作家の作品によって構成されます。なお、京都国立美術館の名品3点が特別出品されます。