きめ細やかで世界に誇る日本のものづくりは、智恵を活かし、美意識と手作業の両立によって現実のものとされてきました。しかし現在、地球環境や資源の問題が深刻化しています。
こうした課題をデザインはどう解決できるのでしょうか。デザインの仕事を「発想を現実化し、使い手のもとに届けるまでの積極的な試み、すなわち〝REALITY LAB”(リアリティ・ラボ)」ととらえる三宅一生の視点から、改めて、生命力溢れる「創造の可能性」を探る特別展です。
1970年代より産地や各地の工場を訪ね、活気ある現場との関係を築きながら、着る人々に喜びをもたらす衣服作りを実現してきた三宅一生。
本展では、再生素材の特色を活かしながらも、より魅力的な形に再創造することを試みた最新の衣服とプロダクトを中心に、プロジェクトをともに現実化したデザイナーやエンジニア、企業や職人の参加のもと、その根底に流れる思想や創造のプロセスを紹介します。
アートディレクションは浅葉克己、会場構成は藤本壮介。未来を見据え、現実化していくデザインのあり方や可能性について、専門分野や立場を超えて一緒に考えていきます。